ロシア音楽学者 一柳富美子先生による好評のロシア音楽講座続編!
第4回 2019年 4月 17日(水)10:30~12:30
ラフマニノフ
今やチャイコフスキーを凌いでロシア音楽の代表と目されているラフマニノフの、先ずは評伝の誤解を解いていきます。子供時代は怠け者だったのか? 何年も鬱病を煩うほど軟弱な性格だったのか? 女好きだったのか? ピアノ協奏曲第2番は催眠療法によって完成したのか?等々。
次いで、ピアノ音楽だけでなくピアノと共に彼の創作の中心にあった声楽作品を紹介。声楽曲にはピアノが必須なので、ピアノ専攻の方にも有益な情報となるでしょう。さらには、ラフマニノフを理解する上で不可欠である「鐘」と「ロシア教会音楽」について、文化史的観点から解説します。
ショパンの《葬送》、チャイコフスキー《四季》など、ピアニスト・ラフマニノフの演奏もたっぷり鑑賞致します。
一柳 富美子
PROFILE
一柳 富美子(ひとつやなぎ ふみこ)
音楽学者。東京外国語大学卒業、東京芸術大学大学院音楽研究科修了。音楽学専攻(ロシア音楽)。ロシア音楽研究会主宰。モスクワ大学及びモスクワ音楽院留学。E.ソローキナ、E.オブラスツォワ、富重潮、原卓也、船山隆、本荘玲子に師事。ロシアオペラとロシアピアニズムに特に造詣が深い。研究・執筆の他にロシア声楽指導・音楽レッスン通訳・翻訳の分野でも第一人者として活躍。これまでにレッスン通訳した音楽家はアシュケナージ、プレトニョフ、ベルマンら200人を越え、邦訳したロシア作品は大曲50歌曲1000を超える。NHK・Eテレ「らららクラシック」やFM・N響ライヴのロシア回ゲスト解説者も務める。1987~88年ヤマハ『ピアノの本』連載で初めて日本にロシアのピアノ音楽教育と若手演奏家をレポート、全くの無名だったルガンスキーやベメゾフスキーらを紹介し、その先見性を高く評価される。1996年ミラノスカラ座国際シンポジウムで発表した論文は5カ国語に翻訳され新ショスタコーヴィチ全集にも所収。2011年ダラム大学ロシア・ソ連音楽国際学会日本代表。国際音楽学会ロシア音楽グループアジア代表員。単著書・訳書に『ムソルグスキー』『ラフマニノフ』(東洋書店)、『バガテル』(カワイ出版)、論文多数。2003年より「ロシアン・ピアノスクールin東京」総合監修。