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カワイコンサート No.2302 東 誠三 ピアノリサイタル 開催レポート

6月23日、札幌コンサートホールkitara小ホールに東誠三さんをお迎えし、ピアノリサイタルが開催されました。
 
木曜日の夜ということもあり会場には大人の観客が多い中、可愛く着飾った小さなお子さんがお母さんの手を取り、どの席に座ろうか?と期待を膨らませ入っていく、微笑ましい姿もみられました。
 
会場内にはいると皆さんがピアノ椅子の低さに驚いたことでしょう。
東誠三さんの椅子は特注で、足の長さを短くしてあるのです。その椅子に座って演奏されるShigeru Kawai EXの音に期待はさらに膨らみ、開演を待ちわびる観客で客席が埋め尽くされました。
 
演奏曲目は前半がラフマニノフの前奏曲、後半はシューベルトのソナタ。
 
1曲目はコンサートの始まりを告げるように鳴り響く「前奏曲 嬰ハ短調 op.3-2 鐘」。重厚な鐘の音に対して弱音の美しさが息をのむほど素晴らしい。まるで霞のなかから見える一筋の光のようにどこまでも広がる景色に曲の魅力が細部まで表現されていました。
 
曲が終わり、次の1音を待つ静寂のなか「前奏曲 op.32」が始まる。第3番の華やかな音色と楽しい雰囲気で会場内の空気が一気に変わる。第5番ではさわやかな音色がどこまでも流れ、しなやかさの中に際立つ旋律が印象的。一転して第10番がドラマチックに奏でられ、第11番ではどこかなつかしさを感じる温かさ。前半のクライマックスとなる第12,13曲は圧巻のテクニックでの熱演。全6曲の演奏だったが、1曲ごとの音色の違い、見える風景の違いに圧倒されました。
 
第2部はシューベルトの「ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ短調 D960」。40分という大作にもかかわらず、客席を魅了し続けるそのエネルギーに圧巻の演奏。特に第2楽章での弱音の連続では、まばたきすらも憚れるほど。
 
アンコールではマイクを手に持ちお話をされ、会場内が東さんの素晴らしいお人柄を感じたことでしょう。ラフマニノフの「ひなぎくop.38-3」シューベルトの「即興曲op.90-2」の2曲を演奏され、温かな拍手の中、終演となりました。

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