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カワイコンサート2024 佐川 和冴 ピアノリサイタル No.2348 開催レポート

2024.10.18 カワイコンサートNo.2348
佐川和冴 ピアノ・リサイタル / 市民会館おおみやRaiBoC Hall 小ホール
 
 本日は第4回Shigeru Kawai国際ピアノコンクール第2位を受賞された佐川和冴さんのコンサートということで、大変楽しみにしておりました。
 プログラム前半はバルトーク唯一の「ピアノソナタBB88Sz80」から始まりましたが、打楽器のように打ち付けるようなタッチや多様なリズムにバルトークの民族的な世界感の音楽を演奏した後にドビュッシー「前奏曲集第2巻より第7番、第9番、第12番」の幻想的な世界へと惹きこまれてしまいました。同じピアノからとは思えない音色の違いを出せる佐川さんのテクニックとShigeru Kawaiが持つ温かみのある心地よい響きに感動しました。ドビュッシーとブラームス「7つの幻想曲 Op.116」はShigeru Kawai国際コンクールでも演奏されており、その時の演奏も素晴らしかったですが、指先に込める繊細だけど情熱を持った音色がShigeru Kawaiを通してホールに響き渡り、コンクールでの演奏よりも更に磨き上げられていて、その様々な響きにずっと聴き入ってしまいました。
 
 プログラム後半はプロコフィエフ「10の小品 Op.12」とベートーヴェン「エロイカ変奏曲 Op.35」を演奏してくださいました。プロコフィエフの作品は小品とあるように各曲2~3分の短い曲となっていますが、曲間の隙間をあまり持たずに演奏され、曲が変わった瞬間にガラッと性格を変えて弾ける集中力と表現力に凄さを感じながら、それぞれの曲を楽しんで聴かせていただいていたらあっという間に終わってしまいました。個人的には一番楽しみにしていた曲でしたので、大好きな曲をShigeru Kawaiのピアノで聴く事が出来、とても感動しました。続くベートーヴェンは冒頭の和音から、これから何が始まるのだろうと、ワクワクさせるような気持ちにさせてくれる重厚な和音の音色が会場一杯に広がり、エネルギッシュさに加え穏やかさや華やかさといった様々な表情を聴かせてくださり、Shigeru Kawaiのピアノの音色を通して佐川さんの世界に最後まで魅了されてしまいました。
 
 アンコール曲は「エリーゼのために」「黒鍵のエチュード」「愛の賛歌」「モーツァルトピアノソナタK.545より第1楽章」「英雄ポロネーズ」と、観客からの拍手に応えて5曲も演奏してくださった佐川さんの配慮とお話しされていても飾らない人柄が演奏に反映されているように感じました。
佐川さんのメッセージに「Shigeru Kawaiのピアノの魅力を最大限に発揮できるバラエティに富んだ聴き応えのあるプログラム」と書いてありましたが、その音色を充分に聴かせていただき、それを体験できた事に心より感動し幸せな気持ちになりました。
 このような素晴らしいコンサートを企画してくださった多くの方々に心より感謝申し上げます。
 
                          カワイ音楽教室 茨城事務所 
                                 山本 ひろみ
 
  

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