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日本の年末年始に欠かせないクラシックといえば「第九」がお決まりですが、ロシアの年末年始の恒例は、チャイコフスキーのくるみ割り人形なのをご存知でしょうか。くるみ割り人形はクリスマスのお話ですが、ロシアでは1 月7 日がクリスマスということもあり、年末年始に盛んに上演されます。
この演奏会は、組曲「くるみ割り人形」の2 台ピアノ版を、ロシアの慣習に倣って毎年演奏し続けようという企画です。また、組曲に含まれていない曲を毎回数曲選んで、私が2 台ピアノ用に編曲( 人生初! ) したものを演奏いたします。そのほか、連弾でのチャイコフスキーの交響曲、そしてその年がメモリアルとなるロシアの作曲家の作品もお送りします。
今回のシリーズは、師の有森博先生との共演ですが、お互いにロシア音楽の魅力をもっと広めていきたいという共通の強い思いがあり、今年から東京や地方でデュオの演奏活動を始めています。今回のシリーズが私達の演奏活動のシンボルとなっていければと願っております。
皆様もここ「パウゼ」で、ロシアの新年を一緒に体感してみませんか? ご来場を心よりお待ちしております。秋元孝介
PROFILE
■有森 博 (Hiroshi Arimori)
1992 年東京藝術大学大学院修了。その後モスクワにて研鑽を積み現在に至る。これまでに野上登志子、水本雄三、小林仁、ナターリャ・スースロワの各氏に師事。1990 年第12 回ショパン国際ピアノコンクール最優秀演奏賞。1991 年岡山県芸術顕彰を受賞。1992 年第5回シドニー国際ピアノコンクール第4 位。1994 年第10 回チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門入賞。1996 年から2000年にかけてラフマニノフのピアノ作品全曲演奏会を成し遂げ、2001 年にはプロコフィエフのピアノソナタ全曲演奏会を成功させるなど、ロシア作品に積極的に取り組む活動を展開し、ロシア音楽のエキスパートとして高い評価を受ける。1995 年、2001 年に小澤征爾指揮新日本フィルと協演の他、日本フィル、東京シティフィル、読売日響、九響、関西フィル、山形響、仙台フィル、神奈川フィル、東フィル、ワルシャワフィル、ポーランド放送響などの内外の主要オーケストラ、著名指揮者との協演を重ねる。2004 年には小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラのメンバーとしてヨーロッパ6カ国ツアー及び日本公演に参加。2016 年6 月にフォンテックより「ラフマニノフ楽興の時、サロン小品集」がリリースされた他、これまでにソロアルバムで18 枚のCD がリリースされ、その多くが特選盤に推薦されている。現在、カバレフスキーとラフマニノフの全曲録音が進行中。ロシア作品によるリサイタルシリーズを、東京文化会館(「ロシアの玉手箱」)、久世エスパスホール(「ロシアピアニズムの系譜」)にて行っている。東京藝術大学准教授。桜美林大学特任教授。大阪音楽大学特任教授。沖縄県立芸術大学非常勤講師。
■秋元 孝介 (Kosuke Akimoto)
1993 年、兵庫県西宮市に生まれる。兵庫県立西宮高等学校音楽科を経て、東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻を首席で卒業。第7 回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA 銅賞。第31 回ピティナ・ピアノコンペティション ベスト賞。第2 回ロザリオ・マルシアーノ国際ピアノコンクール第2 位。兵庫県教育長より「ゆずりは賞」を受賞。第23 回宝塚ベガ音楽コンクール第2 位・会場審査員特別賞。第22 回ABC新人コンサート音楽賞を受賞。東京、大阪、神戸、福岡などでリサイタルを開き、藝大モーニングコンサート、藝大室内楽定期演奏会、サントリーホールチェンバーミュージック・ガーデンなどに出演。浜松国際ピアノアカデミー、VYP 国際ピアノアカデミーなどに参加。サントリーホール室内楽アカデミー第3 期フェロー。平成27年度( 公財) 青山財団奨学生。これまでに、緒方裕子、片山優陽、青井彰、有森博の各氏に師事。現在、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程に在学中。