(2025年10月26日 長野県松本文化会館 キッセイ文化ホール 中ホール)
髙木竜馬さんのピアノコンサートが、長野県松本文化会館キッセイ文化ホール中ホールで開かれました。
今回のプログラムは「絵画のように情景が見える曲を集めました」と髙木さんがお話され、音の中からさまざまな景色が浮かんできました。
最初のグリーグ《アリエッタ》では、1音目からふわっと柔らかい音が広がり、会場が温かな空気に包まれました。続く《朝》では、静けさの中から朝日が昇るような清々しい響きが印象的でした。
ドビュッシー《沈める寺》では、幻想的で神秘的な響きが広がり、重厚な和音が水に沈む寺の壮大さを描いているようでした。続く《月の光》では、湖畔に映る月が揺れるようなきらっと光る音が美しく、静かな夜の情景が思い浮かびました。
再びグリーグの《トロルハウゲンの婚礼の日》では、軽やかなリズムと華やかな響きが祝福に満ち、中間部の柔らかな旋律には感謝の思いが感じられました。
ショパン《英雄ポロネーズ》では、力強さと気品を兼ね備えた堂々たる演奏に胸が熱くなりました。 深くあたたかな響きをもつシゲルカワイのピアノは、やわらかな音から力強い音まで自在に応え、まるで髙木さんの思いを受け取って歌っているようでした。休憩前には拍手が鳴り止まず、ロビーではCDを手に取るお客様の姿も見られました。
後半のラヴェル《亡き王女のためのパヴァーヌ》では、静かであたたかな哀しみが心に沁みました。
ムソルグスキー《展覧会の絵》では、ひとつひとつの絵が音で鮮やかに浮かび上がり、最後の「キエフの大門」は壮大な響きで会場を包み込みました。
アンコールのシューマン《トロイメライ》では、やわらかな音が心に残る、とても優しい締めくくりでした。
終演後のサイン会では、髙木さんが一人ひとりに丁寧に応える姿が印象的でした。これからのご活躍を心よりお祈りしています。素敵な演奏をありがとうございました。
長野事務所 佐野坂 美樹