極限まで追求したシンプルさ
ハイコストパフォーマンスモデルK-300の特注色モデルです。マホガニーの特徴ある色合いが優雅な空間を演出します。
強さとしなやかさを併せ持つボディへの進化。ハンマーや響板設計の見直し。さらに澄んだ音を生み出すために、すべてのパーツでクオリティを追求しています。
それはまるで、ひとつのアートのように美しい存在。
Kシリーズのハンマーを横から見ると、内側に赤いアンダーフェルトがあることが分かります。
このアンダーフェルトを入れることで、さらにフェルトの内側を硬くし、「内硬外柔」の理想的な構造を実現。弦を直接叩き、音を生み出す重要なパーツだからこそ、全モデルにこの理想のハンマーを搭載しました。
ピュアサウンドを追求するうえで鍵となるのは、ボディ剛性。カワイ最高峰グランドピアノの開発で得たその確信を、カワイはアップライトピアノKシリーズの設計に持ち込みました。
アップライトピアノの構造をゼロから見つめ直し、フレームボルトと呼ばれる部品で金属フレームと支柱を連結、弦の張力による変形を抑制。より安定した構造により、美しく伸びのある音を現実にしました。さらに支柱の数、躯体の補強など、さらなるボディ剛性向上のために、さまざまな改良を積み重ねています。
弦の振動を、美しい響きへと変える役割を持つ響板。
Kシリーズの響板は、科学的な分析と調律技術者の感性をもとに設計した、部分的に厚みが異なるテーパー響板。感性と技術の融合による緻密な音づくりにより、すべての音域で音量が豊かになり、音の伸びのバランスも向上しました。
響板の振動効率を高める助響桟を組み入れることでも、音の純度が増しています。
指先とつながるような鍵盤。
表現性豊かな長い鍵盤、指先に心地よく馴染む素材、連打にも意のままに追随するレスポンスの良さ。
弾き始めた瞬間に感じる、圧倒的な表現力がKシリーズにはあります。
鍵盤を長くすることで、弾きやすさと表現性を高める。
カワイのグランドピアノにおける設計思想を、アップライトピアノであるKシリーズの設計にも採用しました。Kシリーズは、モデルごとに鍵盤長を見直し、表現力を追求しています。
長い鍵盤を採用することで、鍵盤の奥を押えた場合にもタッチが軽やかで、よりイメージしたとおりの表現が可能です。
鍵盤を押えるとハンマーが弦を叩く。シンプルなその動作の裏側では、非常に多くのパーツが繊細な働きをしています。カワイはこのアクションと呼ばれる機構について、伝統技術を受け継ぐだけでなく、常に進化を求めて新しいエッセンスを加えてきました。
「ウルトラ・レスポンシブ・アクションII」は、主要部品に、最先端素材である炭素繊維入りABS樹脂を使用。木製では得られない、精度、強度、耐久性、均質性などを長期に渡って享受することが可能になりました。
また、航空機にも使用される炭素繊維で強化することによりアクションを軽量化。レスポンスが良く、より思いのままの演奏が可能です。この先進的なアクションを、Kシリーズは全モデルに搭載しています。
音とタッチのクオリティを長く維持していくために、アクション細部の形状や構造にこだわり抜いています。
ごくわずかな変形が、音とタッチに深刻な影響を与えるアクションレールには、押出成型によるアルミ製で、延びや曲がりを防止し、高精度を保持し続ける二重桁構造を採用。
さらに、強さと均質さ、精密さを誇るアルミダイキャスト製法のアクションブラケットで支えることで、各パーツが取り付けられるアクションレールを正確な位置に保持し続けます。
空間に映えるモダンなデザイン。
それは、新たな発想と、高精度な組立技術の融合により生まれたデザイン。
スクエアなフォルム、その中に流れるダイナミックなライン。シンプルでありながら、確かな個性が漂うK-300。初めて出会う美しさがここにあります。
K-300は演奏中の楽譜の見やすさにもこだわりました。
複数枚の楽譜や、大きな楽譜も置けるように100cmのワイドな譜面台を用意。
さらに、楽譜が滑らず安定する人工皮革を全モデルに貼っています。
例えば、お子様が誤って鍵盤蓋に触れたり、演奏中に万一鍵盤蓋が倒れてしまった場合でも急に閉じることがなく、静かに閉まるソフトフォールシステム鍵盤蓋を、Kシリーズ全機種に採用しました。ケガの心配がなく、安心してお使いいただけます。
カワイはアップライトピアノの音、タッチ、デザイン、そして奏でる歓びを高め続けるために、絶えず新たな技術と発想を追い求めています。その精神を象徴するものとし、カワイのピアノづくりの聖地とも言える竜洋工場の緑をイメージしたマークを、屋根内側にデザインしました。
それは日本の技術と情熱が注がれたピアノである証です。