佐川和冴さんが語るピアノへの想いとグランドピアノGXの魅力

2025.11.07418 views

1998年、埼玉県生まれのピアニスト・佐川和冴(さがわ かずさ)さん。 東京音楽大学ならびに同大学院修士課程を首席で修了し、 第21回東京音楽コンクールピアノ部門にて第1位を受賞するなど、 これまでに数々のコンクールで輝かしい成績を収めてこられました。 今回は、カワイのグランドピアノ「GX」を使用したコンサートを開催いただき、「GX」についてや演奏のご感想、ピアノへの思いについてお話を伺いました。 佐川さんならではの繊細な感性と経験から語られる、貴重なインタビューをぜひご覧ください。

音の響きや表現の幅において、グランドピアノならではの魅力は何だと思いますか?

1つの鍵盤から出せる音色の種類が(小さな音から大きな音・優しい音から力強い音等)電子ピアノやアップライトに比べて、 圧倒的に多いという事はそれだけ表現の幅が広がります。

表現の幅が広がると、練習している曲に対してこう弾きたい!という気持ちが強くなるしイメージも膨らむので完成度も格段に上がります。 プロフェッショナルな人にとっては勿論ですが、ピアノを習い始めの方にとってはよりその差を顕著に感じられると思います。

グランドピアノは中身のある立体的で充実した音が出ますので、和音を弾いた時やペダルを踏んで音を出した時により豊かな響きとして感じられるのです。 良い音を聴けば聴くほど耳も育つと思います。

GXシリーズは、どんな方におすすめしたいピアノですか?

私が在籍していた東京音楽大学の練習室には沢山のカワイGXシリーズが入っておりましたので、かなり身近な存在でした。 カワイといえば今はシゲルカワイという言葉を耳にする機会が増えましたが、GXシリーズも全く劣らないと思っています。

個体によって特性が様々なのでGXシリーズの事をまとめて言葉にするのは難しいですが、とてもなめらかで柔らかくて、 それでいてしっかり芯のある音が出せるピアノだと思います。

GXも色々な大きさがありますが、フルコンサートグランドピアノを弾いているかのような響きを感じる瞬間もあります。 パキパキしてひとつひとつの音が独立し過ぎている訳ではないので、練習室のような大きくない空間でも響きがまとまり、 弾き心地が良い感覚がありますので、初めてグランドピアノを弾く方でも良い意味で扱い易いピアノだと思います。

コンクールや発表会を目指す生徒さんにとって、グランドピアノを使うメリットは何だと思いますか?

グランドピアノはコンクールや発表会でのみ弾ける特別な存在という認識にせず、普段から同じピアノで練習する事によって、 場数を踏む事にはならなくても耳の育つ速度が早くなると思います。

打鍵の”重み”という面でもやはりアップライトピアノに比べて重いので基礎練習をするにしても、 アップライトで練習するのとグランドピアノでするのでは、指の独立や打鍵する筋力にも差が出てくると思います。

個人的な意見になってしまいますが、私は小学5年生の時にグランドピアノを親に購入してもらいました。 「学校の音楽室や体育館で見ていたあのピアノがお家にある、大きくてかっこいい!」という高揚感を今でも覚えていますが、 その気持ちだけでもピアノに対する向き合い方、弾いていたいという気持ちが格段に上がり一層練習に熱が入りました。

ご自身の経験から、ピアノの買い替えが演奏や練習に与えた影響を教えてください。

グランドピアノに触れる機会を増やすのは早ければ早い方が良いと思います。

高価な物なので、どれだけの気持ちがあって音楽をこの先も続けるのか、何度も家族会議をしました。 買ってくれたその日から何度もやめたいと思う事はありましたが、演奏会の機会が増え応援してくれる人が増える度に、 購入してくれた両親への感謝の気持ちは必ず込み上げます。

勿論、アップライトピアノでも練習は出来ますし不自由があるかと言えばそんな事はないですが、 グランドピアノのツヤの音色や迫力のある音圧を体験すると、想像力やモチベーションが格段に増ましますので、 上達速度も上がるのは間違いないです。

ピアノを始めたばかりの方や、これからステップアップしたい方に向けて、アドバイスをお願いします。

どうしたら弾けるようになるのだろう、どうしたら指が速く動くようになるのだろうと、技術的な事を優先して考えるのではなく 勿論、基礎の練習は必要ですがピアノから出る音色を良く感じ、良く聴き、指と脳の神経をゆっくり丁寧に合致させていけば自ずと、 上達していくと思います。

ピアノは室内楽の作品はありますが、交響曲のように規模の大きい作品を演奏する事は出来ませんので、 ピアノソロの作品のみを聴きがちですが、作曲家のピアノ以外の作品にも多く触れる事で何か共通する部分を発見でき、 より作曲家に興味を持つことに繋がるはずです。
とにかく楽しむ気持ちと、情熱を持って取り組めばどんどん成長すると思います。

【佐川 和冴 × グランドピアノGX】演奏動画

ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2

ショパン:エチュード集(練習曲集) 第5番 「黒鍵」 Op.10-5 変ト長調

グリュンフェルト:《ウィーンの夜会》ヨハン・シュトラウスのワルツ主題による演奏会用パラフレーズ Op.56


ピアニスト:佐川和冴(さがわ かずさ)

1998年埼玉県生まれ。東京音楽大学ならびに同大学院修士課程を首席で修了。第21回東京音楽コンクールピアノ部門にて第1位受賞。第4回Shigeru Kawai国際ピアノコンクール第2位(日本人最高位)併せて聴衆賞を受賞。第90回日本音楽コンクールピアノ部門第2位。第31回宝塚ベガ音楽コンクール第1位。第15回日本演奏家コンクール最高位。第15回東京音楽大学コンクールにおいて史上最年少で第1位。ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクールin Tokyo2022最高位。 2018年第39回霧島国際音楽祭賞を受賞。東京音楽大学短期留学奨学生としてモスクワ音楽院(ロシア)に留学。 Villa Sandra Piano Academy(イタリア)でモスト・プロミシング賞を受賞する他、Chetham’s International Piano Summer School(イギリス)、浜松国際ピアノアカデミーなどでも研鑽を積む。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団主催のティアラこうとう定期演奏会にソリストとして抜擢され好評を博した他、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団等と共演する。現在、東京音楽大学大学院音楽研究科に在籍し、石井克典、高田匡隆の両氏に師事する傍ら非常勤職員として演奏研究員を務めている。

河合楽器製作所

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