ピアノの適切な置き場所は?和室にも置ける?

2024.10.318,405 views

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我が家にピアノが届くまでに、考えておかなくてはならない置き場所の事。

効果的なレッスンのために最適なピアノの置き場所は?

良い音で響かせるためのピアノの置き場所は?

良いコンディションを保つために注意すべきピアノの置き場所は?

など、ピアノの置き場所についてのポイントをまとめてみました。

ピアノの適切な置き場所について

個室?リビング?
レベルや目的に応じて適した環境に

子供のピアノの練習が目的だから子供部屋に入れるというのも有りですが、折角のピアノ、家族が集えるリビングへピアノを置くのも一考です。

リビングなら、ピアノの練習にも目が届き、「上手になったね!」の一言が子供の励みにもなります。
さらに家族全員で音楽を楽しむ環境があれば練習の意欲にもつながります。誕生日には、「♪♪ハッピーバースデイ・トゥ・ユー~♪」の大合唱でパーティなんて素敵ですよね。

一方で、上級者になれば高度な表現力を習得するため練習時間も長くなり、集中力を高められる個室でのレッスンが効果的です。
防音ルームを設置し、夜の練習に備える方もいます。レベルに応じて環境を整えましょう。

ピアノを畳の上に置いても問題なし

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和室へピアノを設置する方も多く、畳の上に置いても大丈夫です。フローリングに比べ畳は吸音性能が高く、マンションなどでは階下への音の伝わりを軽減してくれるメリットもあります。

一方で、和室は部屋自体の響き(反射音)が少ないというデメリットがありますが、家具などの配置を工夫すれば補うことができます。

ピアノのキャスターの下にはインシュレーターという丸いお皿のような用具を敷き、ピアノの重量を分散させますが、畳に丸い跡は残ります。
跡が残るのが気になる場合、厚手のカーペットや板などをピアノの下に敷く方法もあります。また、ピアノ専用床補強防振器具として販売されているビックパネルやビックパネルプラスなども有効です。(床補強、防振効果、断熱効果で床暖房にも有効)

アップライトピアノとグランドピアノの音の響き方

窓からの日差しは注意が必要

ピアノにとって、温度・湿度の急激な変化は大敵です。長時間日差しのある場所は避け、やむを得ない場合は、日が差し込む時間帯に厚手のカーテンで遮る工夫が必要です。

 ピアノに適した温度・湿度など

温度:(夏季)20〜30度(冬季)15〜20度、湿度:(夏季)40〜70%(冬季)35〜65%ぐらいが理想的ですが、過敏にならず、私たちがふだん快適に過ごせるような環境が、ピアノにも良い場所と言えます。

  • エアコンの風が当たらない、温度・湿度の安定した風通しの良い場所を選びましょう。
  • キッチンやバスルームの湯気や流し台の水はねなど、湿気のある場所は避けましょう。

 

アップライトピアノの設置について

アップライトピアノは壁から少し離して設置する

アップライトピアノは背面に響板がある構造のため、演奏者と反対の方向に最も豊かな音が出ています。
アップライトピアノは一般的に壁に背を向けて設置しますが、背中から出た音が壁で跳ね返り演奏者の耳に届く経路を確保するため、壁から10㎝から15㎝離して設置します。壁から離すことで、湿気がこもらない効果もあります。

壁のコンセントやスイッチの場所も考慮する

アップライトピアノは、壁にピタリとくっつけず10㎝から15㎝離して設置しますので、隙間から手が入る範囲にコンセントやスイッチがあれば大丈夫だという事を計算に入れて置き場所を微調整しましょう。

アップライトピアノの音の響き方とご近所への音漏れ対策

アップライトピアノは背面に響板があり壁を抜けた音が出ていくので、隣家に面した壁ではなく内壁に背面を向けて置くようにする工夫をすると、音漏れは軽減できます。
※グランドピアノでは、響板が水平構造のため音は上下に進みますので、アップライトピアノより隣家への音漏れが少ない場合もあります。

 アップライトピアノとグランドピアノの音の響き方

 

ピアノを置く床の補強は必要?

ピアノの重量はアップライトピアノで 190~280 kg 、グランドピアノで 280~500kg 程度です。

一方で、住宅の居室における床の積載荷重は内閣が制定する建築基準法施行令の第85条で1800N/㎡と定められています。簡単に言えば、一般住宅の床は最低でも1800N/㎡の耐荷重構造で建築することが義務付けられています。

耐荷重1800N/㎡は180kg/㎡となり、一般住宅の床は1平方メートルあたり180kg以上の重さに耐える構造になっているということです。
例えば6畳の部屋なら、京間で10.94㎡、江戸間なら9.27㎡ですので、家具や人も含めた6畳間の耐荷重は、京間で180kg×10.94㎡の約1,969kg、江戸間では180kg×9.27㎡の約1,688kg以上ということになります。

一般住宅はピアノの重さに耐えられる構造になっているという計算になりますが、築年数や環境などの諸条件によっても異なりますので、ピアノ設置場所の床補強の必要性について気になる方は、住宅施工業者や物件の管理業者へ問い合わせてみましょう。

【 豆知識 】
1800N/㎡の「N」はニュートンという単位で、りんごが木から落下するのを見て万有引力の法則を見つけたイギリスの物理学者ニュートンに由来しています。1kgは約9.8N(ニュートン)です。したがって1800Nは183.7kgで、切りのよい数にすると約180kgです。また「/㎡」は1平方メートルあたりという意味です。

 

まとめ

今回は、ピアノのレッスン環境や音の響き及びコンディション維持の観点からピアノの置き場所選びのポイントを紹介しました。

高価なピアノの購入には不安もあり、子供の練習用の場合は「ピアノレッスンをやめたらピアノが無駄になるのでは。」と考える方が多いのも事実です。
家族全員でピアノを中心に音楽を楽しむ習慣が生まれ、家庭内でピアノの存在が必須になるように活用できれば無駄にはなりません。
目的や目標を明確にしてピアノの置き場所を選んでください。

河合楽器製作所

ピアノ・電子ピアノといえばKAWAI
1927年創業の
鍵盤楽器メーカーです

これまで100年近くにわたり、世界各国にたくさんのピアノ・電子ピアノを届けてきました。
国際コンクールやコンサートなどでは、世界中の多くのピアニストにご愛用頂いております。
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