(生産終了) DG-183F

響板は、弦の振動によって生まれた音を精製し、美しい音に濾過し、そして増幅して外部に出すための共鳴装置で、「ピアノの心臓」と例えられるほど重要なセクションです。ピアノ本来の美しい音は、オーソドックスな基音の質や、音に含まれる倍音によって生まれますが、これらには響板の設計、構造の良し悪しが大きく影響してきます。そのため、響板はピアノづくりのなかでも、特にデリケートな技術が要求されているのです。

ディアパソンが使用する素材は、カナダ北部やアラスカの厳しい自然環境に育った針葉樹スプルースです。響板の振動が、木目に沿って素早く流れ広がるような設計を得るために、木目の年輪が細かく、まっすぐに伸びた均質の柾目材を使用しています。

弦の振動部分をはっきりと区切り、弦の間隔を正しく揃えて、同じキーの弦長を等しくする役割を持つのがアグラフです。これにより弦の張力が同一になり、音色の均一化が図られるのです。音色の鮮度が高いディアパソンの”中立音づくり”の思想はここにも現れています。

アクションは、ピアニストの指が打った鍵盤の動きをテコの応用でハンマー打弦へと変えていく機構です。優れたアクションは、鍵盤に加えられた打鍵力を無駄なくハンマーの打弦力とすることができる、力の伝達効率が高いものです。各セクションで力が逃げないため、音が指に伝わり、演奏者は音を自分で確認しながら弾くことができるのです。

ディアパソンのアクションは、天然素材にこだわり、俊敏性、耐久性、さらに適度な粘りまで考慮した特別なもの。タッチに込める微妙なニュアンスまで忠実に音となるためん、表現力豊かな演奏が可能です。その喜びはディアパソンならではのものです。

ディアパソンでは全機種に、安全なソフトフォールシステムの鍵盤蓋を採用。事故防止に心掛けています。